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2023年12月21日ブログ

印刷のプロが教えるトレーディングカード(トレカ)の作り方

トレーディングカード_topvisual

近年世界的にトレーディングカードの人気が高まっており、子供だけでなく大人の間でも流通や取引が盛んに行われています。
弊社も長年トレカのお仕事をいただいており、印刷から加工まで一連の製造工程の対応を可能とする体制を整えております。

今回はトレカがどのように製造されているかについて、印刷のプロである和多田印刷が詳しくご紹介したいと思います。

トレーディングカードとは

トレーディングカード(トレカ)とは、その名の通り交易を目的としたカードの総称で、収集による鑑賞やゲームでの使用を目的として広く流通しています。
特に有名なアニメやゲームを題材としたカードは、コレクターやプレイヤーの間で高い人気を誇ります。
ちなみにトレカの発祥は諸説ありますが、19世紀後半のアメリカで、煙草の紙箱の補強材として使われた板紙にイラストや広告文を入れて販売したことが始まりと言われています。

トレーディングカードとは_トレカイメージ

トレーディングカードの一般的なサイズ

トレーディングカードの縦横の大きさは、米国の標準サイズとされる63.5mm× 88.9mm(2.5インチ×3.5インチ)が一般的です。
ただし、54mm×86mm(クレジットカード、テレホンカード、免許証等)のサイズで製作される場合もあり、厳密には決まっていません。
制作者がデザインや用途、コストに応じて仕様を設定することが多いです。

 

トレーディングカードの製造工程

トレーディングカードの製造工程は以下のとおりです。大きく分けると、印刷→加飾→断裁→丁合→包装という流れになります。

① 印刷工程・・・用紙に絵柄を印刷
② 表面加工工程・・・用紙表面をフィルム貼り等で加飾
③ 断裁工程・・・それぞれの絵柄をカードサイズに加工
④ 丁合工程・・・指定の順序や封入率で丁合
⑤ 包装工程・・・できあがったカードをパッケージに包装

製造工程のイメージ

1.印刷工程

オフセット印刷
プリプレス工程でカードの絵柄を多面付して版データを制作し、オフセット印刷機で1枚ずつ板紙等の用紙に印刷します。

【オフセット印刷の特徴】

 

・CMYKのプロセスカラー以外にも、白インキや特色インキを用いた印刷も可能で、製品に見合った色をご指定いただけます。
・インラインでOPニスを引くことができ、用紙表面に光沢感を加えることができます。一般的なオフラインによるニス引きよりも安価で短納期という点がメリットです。

UVオフセット印刷機であれば、印刷する前にあらかじめホログラム加工された用紙の上から、絵柄を印刷することも可能です。背景にホログラムを施しつつ、キャラクターを強調したいときなどに用いられます。

2.表面加工工程

箔押し機
印刷した用紙にフィルムなどの表面コーティングを施す工程です。

【表面加工の特徴】

 

・印刷面に光沢感や凹凸を加えることで、特別感や高級感を演出します。
・表面コーティングには耐水性や強度を高める表面保護としても有効です。
・表面加工には、LC(ラミネートコーティング)加工、PP貼り加工、箔押し加工、スクリーン(シルク)印刷等があり、デザインコンセプトに沿った様々な加飾が可能です。

3.断裁工程

カードスリッター集積機
印刷された用紙をカードにするためにカットする工程です。

【断裁工程の特徴】

 

・断裁方法はカードの仕様によって異なり、束になった用紙を一気に断裁する<平断裁加工>や、スリッターで1枚ずつカットして事前丁合まで行う<スリット集積加工>があります。
・角丸のないカードは平断裁工程で仕上げられることもありますが、角丸がある場合は次工程で<ブッシュ抜き加工>を行います。

<平断裁加工>

平断裁加工はオフセット印刷された束の状態から一気に断裁する方式です。
同じ絵柄が束になって仕上がるので、次工程の丁合工数が比較的少ないカードで用いられることが多いです。

<スリット集積加工>

オフセット印刷された用紙を1枚ずつスリッターで分割断裁し、インラインで自動丁合して集積(束の状態に)します。
カード1パックあたりの組み合わせ内容が複雑で、次工程の丁合工数が多いとき等に用いられます。

<ブッシュ抜き加工>

ブッシュ抜き加工は束状の用紙を1つの金型でまとめて型抜きする加工方法で、冊子やメモ帳等でも使われます。
金型が高額なため、汎用性の高い定番サイズに用いられることが多い加工です。
トムソン加工のようなトメを必要としないので、紙の断面にトメの痕が残ることはありません。
※トメ:トムソン抜きで商品が抜け落ちないようにするための継ぎ目。抜き落とした製品の断面にトメの痕が残ってしまいます)

4.丁合工程

丁合機を用いて異なる絵柄のカードを決められた枚数に並び替える工程です。

【丁合工程の特徴】

 

・予めご指定いただいた封入率でのランダム丁合も可能です。
・丁合パターンが複雑になればなるほど丁合工数が増加し、それに伴いコストや製造納期が必要になる場合があります。

5.包装工程

できあがったカードをパッケージに包装する工程です

ピロー包装イメージ
トランプのようにカードが束になった状態で直接紙箱に封函する場合や、一枚もしくは複数枚ごとにピロー包装されたものを紙箱に封函する場合などがあります。

指定の丁合パターンで個別にピロー包装することも可能です。

まとめ

以上がトレーディングカードの製造方法の簡単な説明となります。

大枠は通常の印刷物と同じ工程を踏んでいますが、カードサイズに加工する断裁工程や、出現率を考慮した丁合工程、個別でピロー包装する包装工程など、一般印刷物とは異なる点も多々あります。

弊社では、長年のノウハウに加え、さまざまな印刷仕様や特殊加工、豊富な資材ラインナップで高品質を実現し、お客様のご希望+アルファのトレーディングカードをご提供いたします。どうぞお気軽にご相談ください。

和多田印刷株式会社

弊社はパッケージをはじめPOP、トランプ、トレーディングカードなど、様々な印刷商材を取り扱う京都の印刷会社です。
ビジュアル・グラフィックデザインの企画から形状設計のご提案まで、和多田印刷の長年のノウハウで、お客様のイメージをプラスアルファでカタチにします。



お客様の「欲しい」を実現。和多田印刷のパッケージソリューションで、お客様のお悩みを解決します。

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